国立市富士見台の松田内科クリニック|内科・腎臓内科・循環器内科・アレルギー科

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高血圧・生活習慣病

生活習慣病について

生活習慣病の写真

生活習慣病には、糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)などがあります。いずれも運動不足、過食、そして肥満といった生活習慣の不摂生が主な原因となる慢性疾患です。
日本では、食生活の欧米化や生活スタイルの変化により、生活習慣病が増加の一途をたどっています。
生活習慣病は、一つ一つは軽症でも、いくつもの疾患が重なることが少なくありません。そして、重なることによって、各症状がひどくなったり、動脈硬化を進行させて脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患に結び付いたりする危険性も高まるのです。
そういった事態を招かないように、たとえ自覚症状が無くても、早めに生活習慣を改善するための対策を講じましょう。
基本的には、どの病気であっても、生活習慣の改善、つまり食事療法と運動療法が中心になります。必要と判断された場合には、薬物療法も併用します。

高血圧

血圧を測る写真

高血圧とは、血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態です(診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上、「高血圧治療ガイドライン2014」(日本高血圧学会)による)。

人の血圧は自律神経によって調整されており、刻一刻と変化しています。朝、緊張している時やストレスがかかっている時には血圧が上がりますし、夜リラックスしている時には、低くなります。中には健康診断では正常血圧であっても、自宅で計測すると高い値になるという方もおられます。

ですから、一度血圧を測って高かったからと言って、すぐに高血圧とは診断をつけませんし、その後に基準値内に下がれば、一概に高血圧とは言えません。血圧がいつも高い状態が継続していることが問題になるのです。

高血圧は放っておくと、血管に圧力が加わって、血管の壁が厚くなったり硬くなったりすることで動脈が傷みやすく、動脈硬化の原因になるのが大きな問題です。それと同時に、血液を高い圧力で送り出しているのは心臓ですから、心臓が多くのエネルギーを必要とし、疲弊しやすくなります。つまり高血圧は、血管や心臓などの臓器に障害をもたらすのです。その結果、心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、脳卒中(脳出血、脳梗塞など)の原因になったりします。
ただ、高血圧そのものは無症状のことが多いので、日々の血圧測定や健康診断などを通じて早期に発見し、早めに対策を打つことが大切です。前述のように、日々の生活シーンの中で血圧は変化します。自宅でも血圧を測定していただき、高い値が出るようでしたら、ぜひ一度当院までご相談ください。

無症状のことが多い高血圧

高血圧の95%は原因を特定できない「本態性高血圧」ですが、遺伝的要因と食生活(塩分の多い食事)や嗜好品の摂取過多(喫煙・飲酒)、運動不足や精神的ストレスなどの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。加齢に伴い、血管自体が老化して高血圧となることで、さらに老化が進行する場合もあります。残りの5%は、特定の病気や薬物の副作用など、原因がはっきりしている高血圧です(二次性高血圧)。(循環器病情報サービス)

血圧の高い状態が続くと、血管の壁が圧力で傷み、血管の壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因となります。そして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病なども引き起こしやすくなります(日本人では、高血圧を発端に脳梗塞や脳出血を患う人が、欧米人に比べて多いという特徴があります)。ただ、高血圧そのものは無症状のことが多いので、健康診断などを通じて早期に発見し、きちんとした対策を講じることが大切です。家庭用血圧計を購入し(上腕用が好ましい)、自宅で毎日測る習慣をつけることもお勧めです。

●高血圧の治療

血圧測定器の写真

まず行うべきは、上記のような高血圧の危険因子を知って、そのうえで適正な体重(BMI25未満)にし、適度な運動(毎日30分以上の有酸素運動)を継続的に行い、減塩(1日6g未満)に努めるなどの生活習慣の改善(食事・運動療法)をすることです。
また、医師から降圧薬などを処方されたら、指示通りにしっかりと飲むことも大切です。
一度薬を飲み始めたらしばらくやめられないと思っている方が少なくないようですが、食事・運動療法の継続により症状が改善してくれば、薬の量を減らしたり、やめたりすることも可能です。一度降圧薬を服用し始めたら飲み続けなくてはいけないと考えるのではなく、薬がやめられるように日頃から生活習慣の改善を心がけ、それを継続することが大切なのです。

健康診断や日々の測定により、ご自分の高血圧を自覚された方はできるだけ早期にご相談ください。また、自覚がある方であっても自分はまだ大丈夫だろう、と治療を始めていない方もいらっしゃるかと存じます。当院ではそうした方にも一度ご来院いただきたいと考えております。治療方法や目標は患者さまによりそれぞれ異なります。これまで腎臓・高血圧内科診療をライフワークとしてきた当院院長が、皆さまそれぞれに合った治療方法のアドバイスをさせていただきます。症状の改善や合併症のリスク軽減には患者さまご自身のご協力が不可欠ですが、医師との二人三脚で、健康寿命を延ばしてまいりましょう。

脂質異常症(高脂血症)

お腹の写真

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多過ぎる、または少な過ぎる場合に引き起こされる疾患です。以前は、高脂血症と呼ばれていましたが、脂質が低すぎる場合も問題視されるようになり、近年は脂質異常症と称されています。

脂質異常症とは、いわば「ドロドロ血液」の状態です。血液中に余分な脂質が多くなるために、動脈硬化が起こりやすい、つまり血管が詰まりやすい状態となり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高くなるのです。

一般的にコレステロールには悪玉(LDL)と善玉(HDL)というコレステロールがあることが知られていますが、悪玉コレステロールが多すぎる場合を高LDLコレステロール血症、善玉コレステロールが少なすぎる場合を低HDLコレステロール血症といいます。他に中性脂肪が多くなる高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)があります。健康診断などの際に行われる血液検査では、総コレステロール値および前述の3つの数値を調べることで、脂質異常症の有無を診断します。

●脂質異常症の治療

脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進行し、やがては心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因となります。
脂質異常症は、多くは食生活(エネルギー過多)や嗜好品の摂取過多(喫煙・飲酒)、運動不足などの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。
脂質異常症の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。
生活習慣の改善は、血中脂質を下げるだけでなく、動脈硬化の進行防止にも役立ちます。
その主な内容は、禁煙、栄養バランスのとれた食生活、適正体重の維持、適度な運動などです。なかでも特に重要なのが食生活であり、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。薬物療法についても、医師のアドバイスのもとで、多くの脂質異常症はしっかりと管理できます。

また、少数ながら遺伝的な要因が考えられるケースもあります。これらの要因と、糖尿病など併発している病気があるかどうかなど個別の患者さまの状況を複合的に考え、治療方針や目標を決定していきます。

高尿酸血症(痛風)

ビールの写真

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が多くなり過ぎている状態です。
尿酸は水分に溶けにくいため、血液中では尿酸塩として存在しています。尿酸が過多になると、針状の尿酸塩の結晶ができ、体のあちこちにとどまって、痛みを引き起こします。尿酸塩が関節にたまり、急性関節炎を起こした状態を痛風といいます。

尿酸とは人間の身体の生命維持活動である新陳代謝やエネルギー消費によりつくられる老廃物のひとつです。体の細胞は、毎日の新陳代謝で新しくつくり変えられています。その結果、細胞の核からプリン体という物質が生成されます。このプリン体が、尿酸の元になります。

また、プリン体はレバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなどに多く含まれています。そしてアルコール飲料には、尿酸値を上昇させる作用があります。こうした飲食物を好む人は、尿酸値が高くなりやすい傾向があります。

体のなかでつくられた尿酸のうち、8割程度は腎臓から尿に溶けた状態で排泄されます。ですがその排泄される量が少なかったり、尿酸が過剰に生成されて排泄が間に合わなかったりすると、血液中に尿酸が多くなってきます。そうして、血液中の尿酸が正常な範囲を超えて高くなる状態が高尿酸血症です。基準値としては尿酸値7.0mg/dLが正常範囲であり、これを超えた状態は、血液中で尿酸が運べる限界値を超えた状態で、運搬・排出しきれなかった尿酸が尿酸塩となって関節などに少しずつ沈着していくのです。
その状態が続くと、急性関節炎をはじめ、尿路結石、腎不全(腎障害)など、より重い病気につながる恐れがあります。

●高尿酸血症の治療

治療についてですが、高尿酸血症では、当然ながら尿酸値を下げることが大切です。食事療法として、前記のようなプリン体を多く含む食品の摂取を控えめにし、バランスの良い食事を摂るようにします。また、禁酒・節酒を心がけるようにします。特にビールはプリン体を多く含むので、注意してください。また、食事療法と併せ、適度な有酸素運動で肥満を解消することも大切です。尿酸値が高すぎたり、痛風の症状がすでに出ていたり合併症がある場合など、患者さまの状態によっては、尿酸が体内で生成されるのを抑制する薬や尿酸の排泄を促す薬などが処方されます。いずれにしても、自覚症状がある場合はもちろん、検査で異常が指摘された場合には、早めに医師へご相談ください。